『営業の魔法』(中村信仁)の感想【何度も読みたくなる定番書】

最近努めて本を読むようにしているのですが、その中で出会った至高の1冊について感想をお伝えしていきます。

なぜこの本に限って初めて感想を書こうかと思ったかと言うと、もし20年前にこの本が発刊されていたなら、当時の私に届けたいと思ったからです。

きっと当時の仕事の姿勢も変わっていたでしょうし、もっと違った今があったのだろうと想像できます。

本記事では全部の章の感想を述べることはせず、今すぐ使える内容や、どのように読み進めればこの本をより楽しめるかなどのポイントを私なりの感想でお伝えしていきますので、最後まで読んでくだされば嬉しいです。

「営業の魔法」はこんな人におススメ

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「営業の魔法」は、営業職はもちろん、営業のためだけの本ではありません。この本を読まずに生きているだけでだいぶ損している、とさえ思うので、どんな人にでもおススメです。

なぜなら、魅力的な人になるための在り方「人間力」を説いているからです。

「この魔法を手にしたものは、必ず成功する」この極意は12番目の魔法の事を指しているのですが、読み終わるころにはきっと心が震える体験をすることが出来ます。

全編会話形式なので登場人物に感情移入しやすく、分りやすい例え話を的確に交えて展開されるため、「明日から行動を変える気持ち」を決意レベルまで昇華してくれます。

なので、私のようなダメ社員ほど大変勇気をもらう事ができると思います。

「営業の魔法」について紹介

内容紹介

入社以来1件も契約が取れない営業マン・小笠原君は、時間つぶしの為に入り浸る喫茶店で「魔法のように」契約をまとめるスーパー営業マン紙谷さんに出会います。そして小笠原君は紙谷さんに弟子入りし、12個の「営業の魔法」を通じて営業の心構えやテクニックはもちろん、営業という職業の在り方、素晴らしさを学び、成長していきます。
全編を通して小説仕立てになっており、会話の中から今まで「教わることなく」見落としていたコミュニケーションの基本を深く理解できる内容となっています。
※オーディブル版「営業の魔法」タイトル詳細より一部抜粋

著者・発行月

著者:中村信二

中村信二さんの公式HPはこちらです

出版社:ビーコミュニケーションズ

発行:2009年12月

「営業の魔法」を反復して読むために

結論から先に言ってしまうと、「オーディオブック」をおススメします。

本の内容を声優さんやナレーターの方が読み上げてくれたものを収録したものです。
■特徴
・本を『聴く』ことができるので、目が疲れない
・散歩や家事など、何かをしながら楽しむことができる
・プロが朗読しているので、とても聴きやすい
私も元々本を読む事って得意ではないのですが、良書って何回も読んだ方がいいと言われますよね。
でもぶっちゃけ同じ本を何回も読むって大変じゃないですか?
そんな時に、このオーディオブックと言うのは素晴らしい威力を発揮してくれます。
私はAmazonのオーディオブックサービスであるオーディブルを利用しているのですが、内容がめちゃくちゃ良いんです。

オーディオブック×「営業の魔法」の感想

何が良いって、この本は会話形式で話が進んでいくので、臨場感や場の雰囲気が脳内で鮮やかに展開されるのです。
もともとこの本の内容は夏の日差しや喫茶店の雰囲気、主人公の心境や息遣いまでを細かく描写しており、目を閉じるだけで情景が鮮明に想像できます。
オーディオブックではこれに加えて、セミの声やコーヒーカップを触る音、更に情景を盛り上げてくれるBGMなど、細かい配慮が盛りだくさんで、まるで『聴く映画』のような臨場感を演出してくれるのです。
そしてこのオーディオブックはナレーターが素晴らしく、特に紙谷さんの声がイケボなんです。(ナレーター:小墨カフロさん)
小笠原君役の西村真二さんも、本の行間を実にうまく読んだ素晴らしいメインナレーションをしてくれます。
最初は自信喪失状態だった小笠原君は、紙谷さんと出会い、成長していくにつれて徐々に声のハリも変化していきます。
このような小さな変化にも注目することで、この物語をより楽しむことができますよ。

「営業の魔法」のおすすめポイント紹介と感想

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冒頭でも述べた通り、すべての内容を述べることはせず、今すぐ使える内容や、どのように読み進めればこの本をより楽しめるかなどのポイントを私なりの感想とともにご紹介していきます。

序章から魔法その5まで 人間力の育て方

この本の特徴として、前半は営業としての心構えや営業としての在り方について学ぶことができ、後半は具体的なテクニックについて解説されています。

特におすすめしたい部分で、『人間力』を高められるベースとなっている部分です。繰り返し聴いて勇気を貰ってください。

また、序章から既に紙谷さんはいくつかの魔法を使いながら話を展開していきます。すべて読み終わった後に序章を読み返してみることで、どこで何の魔法を使っているかが確認できますし、理解が深まります。

魔法のはじまり

~自分自身ではなく、相手をいかに集中させるか、それが会話力~

12個の魔法には含まれませんが、コミュニケーションの上で基本的な事となる、「相手の集中力をいかに自分に向けさせるか」を説明してくれます。

眠たい会議や朝礼など、相手の話が長く感じる事ってありませんか?

実はこれ、あなたの集中力が足りないのではなく、相手がこちらの「集中力をコントロールできていない」からなのです。

逆に言えば、興味が湧くような内容や表現を使うことで、相手をこちらの話に引き込む事がでます。

この「集中」をいかにして集めることが、会話をする上で超重要であり、本書の「魔法」を含めすべてのベースとして解説されています。

魔法その1 瞬間の沈黙

~小さな選択と決断を繰り返させることで頭の中を整理させる~

瞬間の沈黙=「間(ま)」の事についての話です。

この内容は今スグ実践できる上に、意識して使うだけで非常に有効なので、ゼヒ覚えてください。

序章でも出てきた、会話の中で相手を集中させるためにも非常に有効なテクニックなのですが、もはやテクニックと言うよりは相手への気遣いと言っても良いでしょう。

やり方はカンタンで、相手が話の途中に目線を外したら、それは「考えてるサイン」で、その時はこちらは口を止めて間を作るのです。

再び口を開くタイミングは、相手の目線が戻ってきたとき。

会話に間を適度に挟むことで、相手は話の内容を整理しながら進めることができ、最終的な決断をスムーズに行う事が出来るようになるのです。

魔法その3 売らない営業

~商品を売るのではなく、顧客の問題解決のお手伝いをする~

この本の中でもかなり印象に残る名シーンの1つだと思います。

文字通り、営業なのに「売らない」事を紙谷さんは提案してきます。

具体的な方法としては、顧客の悩みに対して徹底的に聞き役になる事を勧められるわけですが、これでもちょっと分かり難いですよね。

本章では2人の会話を通して相手がどう感じるか、なぜそうするのかを理解する事が出来ます。

「営業はお客様の悩みを一緒に解決する良き理解者であり、成長の喜びを共有する者」

この意味が分かった時、自然と相手からの感謝の言葉を、嬉しく思えるような人に成長できている気がしてなりません。

魔法その4 既成概念

~勝手に創りあげた自分の限界は、常に破り続けなければいけない~

この章は私が個人的にものすごく響いて、何回も繰り返し聴いている部分です。

歳を取ればとるほど強くなっていくこの「既成概念」=「自分が作っているイメージ」について語られます。

「コレはダメだ。アレは向いてない」などと自分で勝手に可能性を閉ざす事、として解説されるのですが、( ゚д゚)ハッ!と気付かされます。

人はいかにしてこの既成概念を打ち破れるか、失敗から学ぶことが出来るか、どのようにして打破する心構えを持つのか、その意味が理解できるまでジックリ読む事をおススメします。

きっとそれに気付いた時には、あなたの見える世界が一回りも二回りも大きくなっている事でしょう。

魔法その5から魔法その11まで 営業会話術

「魔法その5 応酬話法」 から徐々に実践的なテクニックの話が出てきますが、私は丁度この魔法その5が前半の人間力を鍛える部分と、後半のテクニックを学ぶ部分の中間点であり、飛行機で言う離陸場面をイメージしています。

魔法その5の半分は前半の人間力、もう半分は「応酬話法」のレクチャーとして物語が進みます。

魔法その5 応酬話法

~口は1つ、耳は2つ、まず、心でしっかり相手の話を『聴く』ことから始まる~

「応酬話法」は、本書では「常に相手が答えやすいように話を進める話法」と説明されるのですが、ちょっと分かりにくいですよね。

私なりに解釈をした言い方をするならば、「コミュニケーションを取るための心構え」です。

話法なのに「心構え」?と謎に思うかもしれませんが、それは本書で語られる「旅人の逸話」で理解できます。

2人の旅人はそれぞれ違う時間に同じ場所から旅立ち、同じ目的地に辿り着き、門の前に座る老人と出会います。
1人は「前の町は、人も冷たいし、飯はマズいし、最悪だった・・」と言い、
もう1人は「前の町は、人も暖かいしゴハンは美味しいし、最高の町でした!」と満面の笑みを浮かべます。
さて、老人は2人の旅人にどんな返答をしたのでしょう。

一応、私なりに解釈した別の話を一言でするならば、こうなります。

「いつも文句ばかり言っている友人がいたとして、あなたはその友人と一緒に食事へ行ったとき、気持ちよく食事ができると思いますか?」

きっとこういう人っていつも文句ばかり言ってますよね。当然、あまり機会を作りたくないと思う訳ですが・・。

この章では、ポジティブな心構えがあってこその技術として使わなければ、せっかく身に付けた応酬話法も役に立たない事を説いています。

前章の「既成概念」と非常に関連が深く、よく理解して身に付けることで絶大な威力を発揮する事は間違いありません。

魔法その7 イェス・バット話法

~まず、お客様の意見を肯定すること。その意見に対して質問を繰り返すこと~

イェス・バット話法は、勘違いして使われている事が非常に多い印象です。本書内でも清々しいほどに小笠原君が勘違いして使っています。

ちょっとネタバレしてしまうと、イェスバットの「バット」の部分は、こちらが言っては間違った覚え方をしている事になります。

■例えば、あなたは車のセールスマンで、見込み客は約350万円の新車を検討しているが、予算は330万円だったとします。

見込み客ちょっと予算を超えているねぇ・・
あなたはい、仰る通り、確かに20万円の差額は高額です。しかし、お客様のご要望のオプションを付けると、どうしてもこの価格になるのです。
見込み客はどう感じるでしょうね?
見込み客『うーん、そうなんだけどさ。』
こう答えてしまうのではないでしょうか?
■しかし、正しいイェス・バット話法を使うと、こうなります。
あなた「はい、仰る通り、確かに20万円の差額は高額です。ところで、今回はなぜこのオプションを付けようと思ったのですか?
見込み客「うん、まぁ今後10年乗る事考えたら、このオプションがあれば圧倒的に便利になるから必要なんだよね。」
と、このように、イェス・バットの「バット」にあたる部分を相手に質問するだけで、相手が勝手に納得する答えを見つけてくれると言うものです。
もちろん、相手の話をよく聴いていなければ的確な質問は投げられませんので、何度も練習する必要はありますが、かなり実用的だと感じる内容だと思います。
実際に本書の中で物語として読む事で、一層の臨場感を味わってください。

魔法その9 類推話法(ストーリー話法)

~人はストーリーが大好き~

この章もグイグイ話に引き込まれる内容で、私個人的にも大好きなところです。

冒頭の「魔法のはじまり」でも出て来る話法なのですが、類推話法とは「例え話」を用いる話法として紹介されます。

そのため、本章の中でもふんだんにストーリーが使われ、納得感を深めてくれます。

人はストーリーが大好きですが、説教は大嫌いです。

だからこそ、なかなか伝えにくい話などは、関連したストーリーを話す事で相手を「諭す」事が出来るのです。

オーディブルでは紙谷さんのイケボも相乗して実に心地いい仕上がりになっています。

魔法その10 推定承諾話法

~クロージングのスイッチは「もし、仮に」という前置きにある~

物語もこの辺に来るとクライマックスに入り、成長してきた小笠原君の声のハリにも大きな変化が出てきます。

もう心の中では小笠原君を応援しまくっており、ストーリーに没頭している事でしょう。この辺からは一気に最後まで読み進めたくなっている事と思います。

推定承諾話法とは、相手が肯定する事を前提にした話法であり、相手の頭の中で想像を膨らませる事ができます。

故にクロージングのスイッチと紹介されており、いよいよ商談も大詰めを迎えると言う事です。

はたして小笠原君はどのように成長し、結果を出していくのでしょうか。ここばかりはネタバレしたくない部分ですが、私はこの次の章で泣けました。

それほど感情移入し、物語に入り込んでいました。

ぜひとも次はあなたが本を手に取り、物語を見届けてください。

まとめ

今回紹介した項目をまとめます。

1.序章 相手の集中力をいかに自分に向けさせるかが重要
2.魔法その1 瞬間の沈黙 会話の中に間を挟むだけで、会話は驚くほど円滑になる
3.魔法その3 売らない営業 営業は顧客の問題解決をするお手伝いで、ともに成長の喜びを共有できる者である
4.魔法その4 既成概念 失敗を重ねて作り上げた壁は素直に認め、自らの手で壊して行くべき
5.魔法その5 応酬話法 しっかり相手の話をよく『聴き』、頭の中をポジティブに満たした状態で会話する
6.魔法その7 イェス・バット話法 イェスバットのバット部分は、こちらから言うのではなく、質問して相手に応えてもらう
7.魔法その9 類推話法(ストーリー話法) ストーリーを用いることで、人は素直に受け入れることができる
8.魔法その10 推定承諾話法 「もし、仮に」と言う言葉を使い、相手に想像を膨らませてもらう
ご紹介した内容だけでは素晴らしさは伝えきれませんので、次はぜひあなたが手にして読んでみてください。

笑顔でいること

最後にお伝えしたいこととして、この本を読んでいて、常に紙谷さんが小笠原君に示している事があるのですが、それが「笑顔」なんですね。
それは本書の冒頭や後半に出て来る、ウィリアム・ジェイムズの名言と深く関係があり、この物語の隠れた芯のようなものだと考えています。
「人は幸せだから笑うのではない。笑うから幸せなのだ」
これを意識して読む事で、ふだん取っている自分の態度に気付きも生まれる事でしょう。
実際私はこの事を子育てと照らし合わせて考え、とても大切な気付きを得ることが出来ました。
「営業の魔法」はなにも営業だけのものではなく、人としてすべての人に等しく自信と勇気を与えてくれる素晴らしいものであると確信しています。
だからこそ、一人でも多くの方が幸せになれるように、この本の感想をお伝えしたいと思ったのです。
ここまで読んでくださいまして、本当にありがとうございました。どうかあなたにも幸せが訪れますように。
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